bookmemo2017’s blog

読んだ本の記録

★-頭の決まりの壊し方(小池龍之介)

★おすすめの本です。

 

本書は19の頭の決まりを例題にして、その壊し方を具体的に丁寧に解説する、いわば優しい説法です。読後には頭が柔らかくなっている自分に気づくことでしょう。

 

「上からだ」などという理由で秀でている人の発信するものを拒絶してしまうと、自身の成長や更新のきっかけを奪ってしまいかねませんから、往々にして損をしているのではないでしょうか。

 

そうした実在しないものをあたかも実在するかのように思いこみ、心をそうした幻術の中にさまよわせる癖がつけばつくほど、「今」のリアリティを見失い、心の欠落感が大きくなってしまいます。世間の人々は、そうやって未来や過去という、ありもしない「時間」という幻の中を泳ぐのが好きなせいで、「今」が充実せず欠落感を生み出しています。

 

よくよく考えてみると、「今」の充足感の中には、どこにも欠落感など見出せないのですから、誰もが「今」を自分から見失って欠落感を自作し、それを埋めようとして埋まらない、と、自演をしているようなものでないのでしょうか。

 

だから、「今」に専念していると、「より良くなる」ということはあり得ません。「より悪くなる」ということも、あり得ません。ただ単に、「今、ある」ということの、何も欠落していない完全無欠さがあるだけであって、そこに「より良い」とか「より悪い」とかいった、比較対象は何一つ、なくなってしまうのです。

 

 

今こそ全て