bookmemo2017’s blog

読んだ本の記録

火定-かじょう-( 澤田瞳子)

病の蔓延を食い止めようとする医師たちと、偽りの神を祀り上げて混乱に乗じる者たち――。疫病の流行、政治・医療不信、偽神による詐欺……絶望的な状況で露わになる人間の「業」を圧倒的筆力で描き切った歴史長編。

 

 

「己のために行ったことはみな、己の命とともに消え失せる。じゃが、他人のためになしたことは、たとえ自らが死んでもその者とともにこの世に留まり、わしの生きた証となってくれよう。つまり、ひと時の夢にも似た我が身を思えばこそ、わしは他者のために生きねばならぬ」

 

 

月の満ち欠けが一度として逆に進まぬように、自分たちもまたひたすら前を向いて進むしかないのだ。

 

 

人の弱さを丁寧に描かれていました。