bookmemo2017’s blog

読んだ本の記録

★-会津執権の栄誉(佐藤巖太郎)

★おすすめの本です。

 

四百年の長きにわたり会津を治めてきた芦名家。
しかし十八代目当主が家臣の手にかかって殺されたことから
男系の嫡流が断たれ、常陸佐竹義重の二男、義広が
婿養子として芦名家を継ぐことにに決まった。

血脈の正当性なき家督相続に動揺する、芦名家譜代の家臣たち。
義広が引き連れてきた佐竹の家臣団との間に、激しい軋轢が生じる。

揺れ動く芦名家に戦を仕掛けるのが、奥州統一を企てる伊達家の新当主、伊達政宗
身中に矛盾を抱えたまま、芦名氏は伊達氏との最終決戦、摺上原の戦いに至る。

「夢幻の扉」でオール讀物新人賞を受賞した佐藤巖太郎が
滅亡に向かう名家と、戦国武将の意地を克明に描き切った傑作。

 

 

ひとしきりの感情の氾濫の後、落ち着きが戻った。

そして一点の誤りに気づいた。

真に従順な家臣はいる。

自分が一番よく知っていた。芳正の最も身近なところにいた。その男はいま、槍一本を持って猪苗代城に探索に向かっている。そして、戻って来て言うだろう。

やろうと思ったことをおやりなさいませ、と。

 

 

払うことのできない時雨が衣を濡らすならば、いっそのこと脱ぎ捨ててしまえばよかったのだ。そう考えたら、不思議と躰が軽くなった。当たり前のことに気づいたのだ。生まれ落ちた時、初めて戦場を駆け巡った時、飾りも重荷も、何も背負っていなかった。

 

 

政宗はもう一度、蝉の抜け殻を見た。その抜け殻を草履の先で蹴り飛ばす。中身のない空っぽの残骸が転がった。

(まだ終わっていない)

眼帯の白布に手を当てた。あきらめるのはまだ早い。不幸にも幼い時に右目を失った代わりに、暗闇には慣れていた。そのお陰で、暗闇の中に隠れているものを見ることができた。人は誰しもがこころの中に、暗闇を・・・言い換えれば恐れや弱みを抱え込んでいる。その恐れや弱みこそが、人の行動の大部分を支配している。勇猛な武者が一度生死の境をさまようと、人が変わったように臆病になるのと同じで、一度抱いた恐れが知らず知らずにその後の当人の行動を決定づけている。

 

ひとつの史実に人の数だけ物語あり。ひとつの物語がもう一つの物語の伏線となる。

会津芦名家に惚れました。

 

 

 

 

人生を動かす仕事の楽しみ方~才能よりも大切な「気づく力」~(新津 春子)

 

当たり前だけれど、忘れがちな「働くこと」「生きること」の意味

 

中国残留孤児の二世として、日本語も話せないまま日本にきた著者。
「パンの耳をかじる生活」だったと語る生活から抜け出すため、
若かりし頃の著者が選んだ道は「清掃」という仕事だった。

はじめこそ、愛想なく黙々と清掃を続けていた著者だが、
信頼できる上司との出会いで、「あること」に気づかされる。
そこから、著者の人生は大きく動き出すことに。

「清掃は私の人生そのもの」

そう力強く何度も語る著者の、その笑顔の秘密が明かされる一冊!

 

私はそれまでの27年間、誰にも助けてもらわずに自分の力だけで生きてきました。

これから先もずっと自分一人の力で生きていける。仕事を頑張ればお給料はもらえるし、お給料があれば食べたいものも買えるし、行きたいところにだって行ける。

私にはそれで十分。

その反面、自分は死ぬまでずっとこのままなのかなと漠然とした不安を抱いていました。

いまのように「毎日を楽しく過ごそう」という気持ちに欠けていたのです。

まだ20代でしたから、自分の生き方が正しいのか、それとも間違っているのか、そこまで考える余裕がありませんでした。

ところが、お客様を観察するようになって、そんな私に変化がおきました。他人に興味を持ち、自分以外の人から学ぶという意識が芽生えたのです。

それは「一人の力で生きてきたつもり」の私には大きな変化でした。

 

 

工夫には以外な副産物があって、工夫をしてうまくいくとそれだけでうれしくなって、いつのまにか工夫することが楽しくなってくるんです。そうすると、結果として、仕事自体も楽しく、そして楽になります。

 

 

うまくいかなくても、自分の頭で考えて行動すれば、失敗もしながら、最後は自分自身の力でできるようになることでしょう。

そうなることが、将来の自分を困らせないことになるのです。

 

 

ただ目の前のことを言われたとおりにやっていても、仕事は楽しくならないと思います。仕事でも私生活でも「見たことないものをもっと見てやろう」という気持ちが大事。ずっと同じものばかり見続けているのはつまらないのです。

 

 

いま目標がないのなら目の前のことを一生懸命やってみてください。少し時間はかかるかもしれませんが、きっとあたなの中で変化が起きます。もしかしたら「自分は将来、これをやっていきたい」ということに出会えるかもしれません。27歳の私が「全国ビルクリーニング技能競技会」を境に大きく変わっていったようにです。

 

 

私の中で納得できないことがあると「わかった。会社で私のことを評価してくれないんだったら、外でがんばってみる」と思うようになりました。社外の誰かが評価すれば、それがめぐりめぐって会社に伝わります。たとえば業界団体主催のコンテストで入賞する、専門の資格を取る、など。何らかの行動を起こさない限り、いまの評価が簡単に変わることはありません。

 

お金や自分のためでなく人のために働いてみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★-敵の名は、宮本武蔵(木下 昌輝 )

★おすすめの本です。

 

七人の敗者たちから描く、剣聖の真の姿。 かつてない宮本武蔵像が誕生した 剣聖と呼ばれた男の真の姿とは──。島原沖畷の戦いで“童殺し”の悪名を背負い、家中を追放された鹿島新当流の有馬喜兵衛の前に、宮本無二斎と、弁助(武蔵)と呼ばれる十二、三歳の子供が現れた。弁助は、「生死無用」の真剣で果し合いをするというのだが……。(「有馬喜兵衛の童討ち」より)少女を救うため、避けられぬ戦いに命を賭す「クサリ鎌のシシド」、武蔵の絵に惹きつけられるも、一対一の勝負に臨む「吉岡憲法の色」、武蔵の弟子たちが見た剣の極地「皆伝の太刀」、武蔵と戦う宿命を背負った小次郎「巌流の剣」、そして次には……。敵たちの目に映った宮本武蔵。その真の姿とは──。著者渾身の歴史小説

 

 

「有馬喜兵衛の童打ち」

島原沖田畷の戦いで“童殺し”の悪名を背負い、家中を追放された鹿島新当流の有馬喜兵衛の前に、宮本無二斎と、弁助(武蔵)と呼ばれる十二、三歳の子どもが喜兵衛の前に現れた。弁助は、「生死無用」の真剣で果たし合いをするというのだが…。

 

「うぬぼれるな。止める気なんかないよ」ガタリと木板に人の体が当たる音がした。「せめて、別れの挨拶ぐらいしていけ。それでも男か」女の罵声を背で受け止めて、走る。背後から、さらに何かが聞こえてきた。女のすすり泣く声だ。足や腰にまとわりつき、喜兵衛の心を湿らせる。

 

「クサリ鎌のシシド」

人買いにすら見捨てられた自らの命を、千春によって救われたシシド。だが、貧しい境遇の2人は、引き裂かれる運命にあった―。哀しき邂逅と、避けられぬ戦いが迫る。

 

武蔵は銭を受け取る素振りを見せない。思いつくままに、シシドは口を開く。「おいらを最初に買ったのは、異人だった。」(中略)視界が白くぼやけてくる。ジャラリと銭を持ち上げる音がした。安堵が、急速に生きる執念を奪っていく。

 

 

吉岡憲法の色」

かつて染め物を業としていた京八流の名門剣術流派、吉岡流。その跡継ぎとなった吉岡源左衛門は、武蔵が描いたという絵に衝撃を受けた。幾内を席巻しつつある宮本武蔵とは、何者か。憲法の名を継いだ源左衛門は、勝負のなかで武蔵になにを視るのか。

 

「この色は弱い」武蔵の一声に、静かなどよめきが広がる。「お、お言葉ですが、武蔵様。これは金気の少ない京の水で染めたものでございます」珍しく不機嫌さが滲む声で吹太屋は説く。「数百年経っても褪せぬ技法で生んだ色であることは、大和や京の古刹に残る染物からも明らかでございます」沈黙が降り積もるかのような間が、またしても生まれた。知らず知らずのうちに、憲法は拳を握り締めている。二十歳程度の武芸者の評に、どうして己はこうまでこだわっているのか。武蔵の若い声が、襖越しから再び聞こえてくる。「あるいは千年経っても蔵の中では残るかもしれない」武蔵の評に、人々が唾を呑む音も聞こえてきた。「が人々の心には残らぬ色だ」客たちは呻き声を上げた。

 

「皆伝の太刀」

吉岡憲法との戦いの後、江戸の道場で弟子たちと剣を交す武蔵。だが武蔵の剣は、いままでの殺気みなぎるものでは無くなっていた。弟子を引き連れてやってきた屋敷では、全く異なる真剣勝負が待っていた。

 

「武蔵殿は見るのではなく、観ている」

 

 

「巌流の剣」

宮本無二の弟子・本位田外記の二刀流を遣う津田小次郎は、鹿島新当流の遠山を一刀で打ち負かすほどになっていた。外記からの思いもよらぬ手紙を受け取った小次郎は、外記を救うために、美作へ向かう。だが、そこで出逢ったのは圧倒的な強さの“美作の狂犬”だった。

 

これが赤子というものか。小次郎の腕の中に、柔らかくももろいものが確かに息づいていた。紺色の襁褓の中で小さな腕を折り畳み、小次郎の胸に額をすりつけるようにして眠る。こんなにも弱いものが、これほど無防備に己の腕の中にあることに戸惑っていた。

 

 

「無二の十字架」  

前五篇の秘密が明かされる。そして運命の闘いが待ち受ける。

 

なぜか、足が重い。今なら童が斬りかかっても、容易く殺されてしまうだろう。月に、顔を向ける。「己は犬だ」拳を強く握りしめながら叫んだ。「主の言うことを、誰よりも忠実に守る」そう宣言すると、ほんの少しだけ足は軽さを取り戻した。

 

 

「武蔵の絵」

書き下ろしの最終章。巌流島の戦いから二十数年。消息が途絶えていた武蔵の噂を聞いた吉岡源左衛門は、京都を発ち九州へ向かうが…。かつての敵は、生きているのか。

 

武蔵は色を使うことなく、墨の濃淡だけで多彩な色を生み出したのだ。

 

この本から何かを学びたいと読み始めるが、すごい腕力で物語のなかに引き込まれ、それどころではなくなりました。

 

充実した読書時間を過ごすことができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッチとマーロウ (青山七恵) 

青山七恵が描くおちゃめな双子の物語
 デビューから12年。青山七恵が温めてきた懐かしくて新しい物語。

 「ママは大人を卒業します!」と突然の宣言。
 11歳の誕生日に突然大人になることを余儀なくされたハッチとマーロウ。お料理ってどうやって作るの?お洋服、何を着ればいいの?双子に個性って必要?私たちのパパって、誰なの・・・・?少しずつ目覚めるふたりの自我と葛藤。
おちゃめでかわいい双子の日常が愛おしく過ぎていく。

 結末に知るママの思いと双子の小さな約束に心揺さぶられる。

 かつて子供だった大人へ、これから大人になる子供達へ贈りたい、感動の物語誕生。全編を飾るイラストは、大人気イラストレーター・田村セツコさん。

 

 

1月 わたしたちが大人になった日のこと(ハッチ)

 

「聞こえた?ふたりとも。聞いたよね。今日からふたりは、11歳じゃなくて大人になります。だからもう、自分で自分のことをハッチとかマーロウとか言わないこと。自分のことを言うときは、わたし、と言いなさい。それから、いつなんどき島流しにあってもいいように、明日からラジオで基礎英語を聞いて、一年後には英語をかんぺきにぺらぺらにしゃべれるようにしておくこと」

 

「大人を卒業したひとはだめ人間になる」

 

 

2月 やみくもさんとれいこちゃんとチョコレートについての日のこと(マーロウ)

 

大みそかにに大人になってからというもの、ハッチとわたしは家のことで毎日大忙しだ。夕飯のための買いだしとかラジオ基礎英語とか料理とかお風呂掃除とか、家ではいっぱいやることがあって、おちおち宿題なんかやっていられない。だから宿題は帰りの会が終わったあとに、ハッチと学校の図書館にこもって30分で済ませることにした。その気になれば30分で終わるものなんだなあ、宿題なんて!いままでだらだら、なにやってたんだろ。

 

つかれないですむときはなるべくつかれないようにすることが大人のコツだって、ハッチもわたしもちょっとはわかってきたんだ・・・いきなり大人になってあたふたしていたこの一か月半くらいのあいだに。だれにも教わらないでそういうことがわかっちゃうなんて、ハッチもわたしも、けっこう大人の才能があるのかも!

 

あっ、でも、磨かれない才能はタワシになってたましいをごしごし削るっていつかママが言ってたからなあ・・・そんなの最初からないほうが、たましいのためにはいいのかもね。

 

 

3月 個性をつくってみた日のこと(ハッチ)

 

つくった個性なんて、どのみちつまんない個性よ。

 

 

4月 ふうがわりな転入生のこと(マーロウ)

 

「ハッチとマーロウ?あなたたち、外国人なの?」「ううん、たぶん日本人だよ・・・」「なによたぶんって。自分でわからないの?」「ママは日本人だけど、パパはわからないから・・・」「どういう意味?」「わたし、パパに、会ったことがないから・・・」

 

 

5月 家出人と山菜採りをした日のこと(ハッチ)

 

かおるちゃんがなんで家出してきたのか、マーロウもわたしもはやく知りたくてウズウズしてるんだけど、来たばっかりの夜明けごろとちがって、いまはなんとなく聞きづらい雰囲気だ。それに、かおるちゃんの無口であの元気のないようすには、「大人の事情」の気配がぷんぷんする。どんなときでもこの「大人の事情」ってやつが出てくると、たちまちわたしたちのまえには死ぬほど頑丈で死ぬほど退屈なぶあつーい壁が立ちはだかって、おもしろそうな秘密からわたしたちを追っ払ってしまうのだ!

 

 

6月 ゆうれいたちの顔を見た日のこと(マーロウ)

 

「最初の女の子は、だいたいお父さんに似るんだって。わたしもお父さんに似てるってよく言われるよ。ふたりもきっとパパさん似なんじゃない?」エリーに言われて、ハッチとわたしは顔を見あわせた。わたしたちがパパ似?そんなこと、いままでだれにも言われたことがない。でも、もしそれがほんとなら・・・わたしたちはいつもこうして、お互いの顔のなかに一度も会ったことのないパパの顔を見てたってこと?

 

7月 東京でバカンスした日のこと、その1(ハッチ)

 

「そうだよねえ。ママ、やっぱり都会に戻ってくると・・・場所が変わるとだめじゃなくなっちゃうなんて、まだだめの基礎ができてないのね」「じゃあママは、修行中のだめ人間だね」「修行中のだめ人間か・・・だめになるのも修行がいるのね」

 

7月 東京でバカンスした日のこと、その2(マーロウ)

 

「きみたちは、むかしのお母さんのことを知りたいの、それともお父さんのことを知りたいの?」「どっちもです」とハッチが言った。「どっちかのことを知ったら、もう一方のことも、同じくらいわかると思うから」

 

9月 男の子の気持ちになってみた日のこと(ハッチ)

 

だれかが男の子であるとか女の子であるとか、なにを理由に、どうやって決めたらいいんだろう?それはたんにからだのちがいなのかな、着ているものとか、髪型のちがいなのかな?それとも目に見えるものでは決められなくて、本人の心に聞いてみるしかないのかな?

 

10月 森の家にたくさんお客さんが来た日のこと(マーロウ)

 

いままでも何人か、東京からママの友だちがこの家にあそびにきてくれたことがある。でも、夜になってこうしてお酒が出てくると、ハッチとわたしはとたんに二階に上げられてしまうのだ。それまでは、みんなと同じようにしゃべったり食べたり、大人も子どもも関係なくぜんいん平等にそこにいる感じがしていたのに・・・お酒が出てきたとたん、いきなりあなたたちはあっちのボートね、ばいばい!って、いっしょに乗っていた大きな船から降ろされちゃうみたいに。

 

「だって、会いたくないんだもん!」したから突然聞こえてきたママの声に、はっと息をのんだ。「そんなこと言っても・・・」なだめているのはきょんちゃんだ。「わたし、だれからなにを言われても、ぜったいに、ぜったいにイヤだから」それからママがしゃくりあげる声「落ち着いて考えてよ、えみだけのことじゃないんだから・・・」ママが泣いている。これは聞いちゃいけない話だ、

 

 

12月 ママが行方不明になった日のこと(ハッチ)

 

「ハッチ、やっぱり、これはいつもとちがうよ」そう言ったマーロウに、わたしは一度ごくんとつばを飲み込んでから答える。「うん。ちがう」「わたし、いやな予感がするんだ」「わたしも。こんなのぜんぜん、いつもと同じじゃないよね」「いつもとぜんぜん同じじゃないのに、いつもと同じふりなんかできないよ」

 

12月 わたしたちがいちばん海の近くにいた日のこと(マーロウ)

 

コップの牛乳を飲みほす十秒、フロッピーと松の木まで競争する十秒、いつもはどこにもである十秒なのに、そのたった十秒に、どうしていまは手が届かないんだろう?それはやっぱり、わたしたちがまだ子どもで、背も手も小さすぎるから?コップや松の木のさきにあるものをつかむには、まだぜんぜん足りないから?考えているとかなしくなってきて、わたしはぎゅっとからっぽのこぶしを握った。

大人だと簡単に諦めれることも子供だと悔しい。この感情は記憶の奥底にあるようなないような。

 

 

 

 

 

 

 

 

★-小さな習慣(スティーヴン・ガイズ (著), 田口 未和 (翻訳) )

★おすすめの本です。

 

小さな習慣とは、毎日これだけはやると決めて必ず実行する、本当にちょっとしたポジティブな行動。この方法を使えば、すべてのことは、習慣化し、目標を達成でき、夢を叶え、人生を変えることができる。何しろ「小さ過ぎて失敗しようがない」のですから。

 

 

ちいさすぎて、ばかばかしいと思う行動が、大きな結果を生み出す!

 

 

さっそくですが、小さな習慣をひとつ始めてみましょう。

この本を毎日最低2ページずつ、最後まで読み続けてください。

今度は、今すぐ自分の鼻を触ってみてください。

 

 

あなたが自分の鼻を触ったのは、そんなことやりたくないと思う気持ちよりも、やろうとするわずかな意思が勝ったからです。おめでとう!これであなたは小さな習慣を始める力があるとわかりました。

 

 

30分の運動は、私にとっては目の前に立ちはだかるエレベストでした。運動するという考え自体にまったく魅力が感じられません。私はひどい敗北感に襲われ、実際に敗北者でした。

私を勇気づかせたのは、単に30分の運動にかかる時間やそのための努力ではありません。自分が掲げるフィットネスの目標を達成するために、この先どれだけ多くの時間や努力が必要になるのだろうと思うと、そのあまりに大変な道のりに圧倒されてしまったのです。

 

 

30分の運動という目標を達成できないことにうんざりした私は、ついにこう思いました。もういい、とにかく1回だけ腕立て伏せをしよう。私は床に手をつき、1回腕立て伏せをしました。そして、それが私の生活をがらりと変える1回になったのです。

 

 

小さな習慣の基本は、こんなに簡単でいいの?と思うくらいの課題を自分に与え、それをほんのわずかな意志の力を使って実行するというものです。

 

 

デューク大学の研究によれば、私たちの行動の約45パーセントは習慣で成り立っているそうです。

 

 

辞典では習慣を「物事をする通常の方法、ある人が日常的に繰り返してする何かの行動」と定義しています。私の場合は、「あまりに簡単なので、しないよりするほうがいいと思える行動」と定義したいと思います。

 

 

自己啓発本ではすっきりおなじみのモチベーションですが、実は長期的にはまったく効果がありません。

 

 

こう考えてみてください。「モチベーションを上げる」方法を選ぶと、何かをするためのモチベーションが必要になるだけでなく、それは、ほかの何よりそれをしたいと思う強いモチベーションでなければなりません。たとえば運動をするのであれば、ポテトチップスを食べながらテレビを見たいと思う以上に、運動したいという気持ちが強くなければなりません。そう考えれば、この方法で成功する見込みが、”ときには”がいいところだというのも納得できるでしょう。

 

 

先に行動をとると、モチベーションがすぐにあとを追いかけてきます。

 

 

小さな習慣をごまかす方法はいくつかあります。まず、最もよくあるのは、「1日に腕立て伏せ1回」などの小さな習慣を選んでおきながら、こっそりもっと多くの回数を自分に求めることです。これだけは絶対にしないように、本当に注意してください。目標以上の成果を自分に課すたびに、それを達成するための意志の力が必要になるからです。

 

 

期待を小さくしておけば、もっとやりたくて仕方がなくなります。

 

 

あなたは運動をしたいと思っていますが、座り込んだまま、本当のところはやる気になれません。強い抵抗を感じます。あなたはどうしますか?このシナリオでは、あなたは自分のやりたいことをやるために脳をうまく説得できるのであれば、あえて脳と対決したくないと思っています。それなら、感じる抵抗が最小限になるまで、やるべき課題をどんどん小さくして脳に示しましょう。

そういう工夫で良い習慣が身につくのですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逆説の法則(西成 活裕)

経済が縮小傾向にあると、人はつい短期的な思考に陥る。目先の利益を優先させるあまり技術の蓄積が疎かになり、次世代を支える長期プロジェクトも立てにくくなる。10年前に渋滞学を世に問うた数理物理学者が、「長期的思考」がいかに正しいかを多くのロジックで証明。ビジネスに応用できる「四つの逆説の法則」が企業を救う。

 

 

他人への親切は自分の将来のための投資、とも言える。私の周囲でも、特に人より裕福なわけではないが、他人のためにお土産を買ったり食事をご馳走したりするのが好きな人がいる。その人は確かに自分のお金をたくさん消費してしまうが、見ていると逆にそれ以上の様々なお返しをいろいろな人から受けて幸せそうである。イギリスの哲学者ジョン・ロックは、「もっとも気前のよい人は、いつも一番多く持つことになり、その上尊敬、称賛まで得るものである」と述べている。

 

 

様々な企業の制服を作る会社の話を聞いたのだが、営業戦略としてまず顧客企業の全社員分の制服を作り、1年間無料でそれを着ていただくのだそうだ。全員分の制服を作るコストはかなりのものであるが、それでも構わずに1年間もサービスをする。それだけ長期間着用すれば、皆が慣れて愛着も出てくるため、その後の契約も取りやすくなるのだそうだ。そのため長い目でみれば結局売り上げにつながり、今や業界では大手に成長している。

 

 

その損保会社は、どれぐらい説明をじっと聞き続けるとイライラしてくるかについて実験をしたそうだ。その結果、平均14分ということが分かり、説明は14分以内で終わらせる、ということを決めたのだ。そしてそのために必要事項を紙に書いてみたところ、ちょうどA3の大きさに紙1枚でまとめることができた。そうして営業回りしたところ、成約率がアップしたそうで、売りたいがための過剰説明を無くして逆に利益が向上した、という結果が得られたのだ。

 

無印良品で有名な良品計画が赤字で苦しんでいた時に作り上げた、ムジグラムという社内マニュアルが有名である。ここには様々な仕事の進め方やその意味などが詳細に記されており、それを社員が共有することで一気通貫の組織になれたのだ。その後見事に経営再建に成功し、今や海外展開も好調で黒字街道まっしぐらである。つまり「目的」「期間」「立場」を組織で共有化することが何より大事で、山田先生の言葉を借りれば、「改善は知識よりも意識」なのである。

 

 

「レスポンシブルカンパニー」には自然の役割について興味深い記述があった。それは世界の食糧生産のうち3分の1は、虫や動物の受粉に頼っているそうだ。この動物たちの無償の協力で食糧生産が成り立っているのだが、もしも環境破壊によって受粉が思うようにできなくなったら、誰がそのコストを負担するのだろうか。

 

 

全体を部分に分け、その部分ごとに個別対応していく方が多くの場合で効率が良くなるのだ。これはランチェスターの法則と言われており、もともとは軍事戦略の中で研究されてきたものである。敵をすべてまとめて狙うのではなく、うまく部分に分割し、まずはその一つの部分だけを集中して狙っていく方が、結局は有利に戦うことができる、ということが数学的に証明できるのだ。

 

 

無理な成長は必ず組織のどこかにひずみを生んでしまうため、短命になりがちである。これを伊都食品工業の塚超寛会長は年輪経営と呼び、少しずつ会社を成長させることを唱えている。そのおかげで操業以来48年連続増収増益となっており、今や世界のトヨタ自動車もこの年輪経営に注目しているのだ。

 

 

京セラでは、小組織はアメーバと呼ばれ、このアメーバごとに独立採算にして自主性を重んじる。そして全従業員がこのアメーバという小単位を通じて、会社の経営に共同で参画しているという実感を持つことができるのだ。また、組織を細分化できるときは、多少のコスト増になっても分割していくべきである、と稲盛氏は主張している。これにより、分割された事業がまた伸びていく可能性があり、そうなれば長い目でみてそのコスト増を上回る採算になることができるのだ。

人類学者のロビン・ダンバーは、人が安定して関係を保てる人数の上限として、ダンバー数と呼ばれている150人を提案している。そしてマイクロソフトインテルも、建物一棟あたりの社員数を150人までとしているそうだ。

 

 

期間設定を長くとれば失敗は無駄にならず、やはり「負けるが勝ち」なのだ。グーグルは「賢く失敗せよ」という標語を社内で掲げており、これは皆にリスクを取ってほしいというメッセージである。そうでなければ革新的なアイデアは生まれてこない、ということで、社内に失敗を許容する風土を構築しているのだ。

 

 

ある提案を議論する際に、ただ単に会議で報告を受けて皆で考える、というものではなく、全員をまず賛成派グループと反対派グループのどちらかに機械的に振り分け、相手を論破していく議論をする。次にその賛成派と反対派を入れ替え、また相手を論破する勝負をするのである。その際に、自分の真意は賛成でも反対でもどちらでもよい。とにかく割り振られた立場で徹底的に相手を論破する議論を展開していくのだ。これをすることで、両方の立場の真意が自然に理解できるようになり、また様々な盲点にも気づくようになる。その後に採決をすれば、より納得のいく、そして正しい方向に向いた結論が下せるようになるだろう。これは特にある提案に対して意見が割れている時ほど効果的で、このロールプレイングによって組織内での対立が解消したという事例もあるのだ。

 

 

教育の最大のポイントは、T型人間の育成である。Tの縦棒は、専門性を持つことで深く掘り下げることの出来る能力を意味し、横棒は周辺分野を幅広く知っていることを意味している。私の好きな言葉に、「一つしか知らない人は、何も知らない人である」というものがあるが、多方面から見ることができる目を持つ人物こそ社会で活躍できる人なのである。

 

 

先日ある経営者に聞いたのだが、通常は一つの事業は持ってせいぜい7年だそうだ。その内訳だが、はじめの2年は立ち上げで苦労し、中3年間のみ利益が出て、そして最後の2年はライバルとの消耗戦になるのだ。

 多くの事業が必要ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

人生を変えるレッスン(著者:ラファエル・ジョルダノ  訳者:河野 彩)

 

仏で50万部超、パリジェンヌを魅了した話題作が日本上陸!
 

カミーユは、38歳と3か月、すべてが順風満帆、幸せ一杯に見えた。愛する夫と子供、安定した仕事、居心地のよい家、そして親友たち……。しかし嵐が吹き荒れる金曜の夜、パリ郊外からの帰宅途中、車の事故で帰れなくなってしまう。助けを求めた近隣の家から夫に電話をかけるが、そっけない返事に涙があふれてくる。そう、一見幸せそうな彼女の人生は表面的なもので、実は夢見ていたものからほど遠かったのだ。助けてくれたルーティン学者のクロードは、自分の考案したレッスンを受けてみないかと言う。そして、それは、信じられないほど効果がある、思いもよらないメソッドだった……。
読み進めるうちに「何でもうまくいく秘訣」が身につく。20か国以上で読まれている大ベストセラー、フランス発の自己啓発小説が、ついに刊行。

 

「あなたは、今、幸せですか?」
20か国以上で読まれている自己啓発小説がついに日本上陸です。幸せなはずなのに幸せを感じられないカミーユがルーティン学者のクロードのレッスンを通して自分を取り戻し、本当の幸せを獲得していくというフィクションです。この小説には幸せになるための具体的なエクササイズが書かれています。小説を楽しみながら、そのエクササイズを実践してみれば、あなたも幸せをつかめること間違いなし!

 

 

「幸せの復活」は雨の夜のルーティン学者との出会いから始まった。

 

 

クロードは一瞬話を続けるのをためらった。これから話すことを私が受け入れられるかどうか、見極めようとしているみたいだった。受け入れられると思ったのだろう。しばらくすると、大事なことを打ち明けるような口調でこう言った。

「きみはきっと、深刻なルーティン症候群に苦しんでいるんだ」

「なんですって?」

「ルーティン症候群だよ。世界じゅうの人、とりわけ先進国の人たちの心をむしばんでいるものだ。症状はどこでもだいたい同じ。やる気が出ない、慢性的に憂鬱な気分、人生の目標を見失う、方向感覚がなくなる、物質的には恵まれているのに幸せを感じられない、失望感や倦怠感を覚えるとかね・・・」

「でも・・・どうしてそんなことがわかるの?」

「それは、私がルーティン学者だからだよ」

 

 

人生の決定的な変化は、小さなこと、一見取るに足りないように見えるものを変えることから始まるんだ。私のアドバイスがごく当たり前だと思うときもあるかもしれない・・・。間違えないでほしいんだが、難しい課題を一度でクリアしろというんじゃないよ。毎日、変わろうと努力することが大切だ。我々は日々の繰り返しによってできている。

 

 

変化とは、内側からしか開かないドアのようなものである。

 

 

内側と外側の両方を徹底的に掃除する事。まず内側の掃除だ。いまの生活で自分にとって毒素となる有害なもの、人間関係や日々の暮らしを凝り固まらせていまうものをすべて見つけることだ。名づけて「人間のエコロジー計画」。同時に外側の掃除もしよう。少なくとも十個はいらないものを捨てて、片付け、選別して、ありとあらゆる手段を使って家のなかを快適にしていく。

 

 

毎晩、私は散らかった部屋を片づけていった。家具の裏の見たくなかったものを見つけ出し、見もしなかった部屋の隅も片づけて、なかなか捨てられなかったものを処分する。しつこいほこりも、洗面台の汚い髪の毛やがんこな石灰質の汚れも、面倒な目地の汚れにもさよならだ。休みなく、徹底的に続けていくと効果は絶大だった。一週間後には、家はほとんどモデルルームのようになっていた。私は有頂天だった。

 

 

いいサイクル

ポジティブ思考、ポジティブに行動する。→活動的な姿勢(背筋が伸びる、上を向く、微笑む)→熱意、興奮、他人とよく会話する→自分の体や見た目を気づかう余裕が生まれる(きちんと食事する、体を動かす、楽しむ)→自己評価が高くなる、「自分は存在価値がある、幸せになるびき人間だ」と思う→他人に心を開く、チャンスを手に入れる、人と交流する、くじけても立ち直れるようになる→クリエイティブになる、どんな事態に陥っても建設的になれる、解決策を見出せる→成功する、決められた目標を達成できる

 

 

あらゆる変化は、現状のままでいつづけるためではなく、未知のものになるためにある。

 

 

ネズミを育てるのはおしまいだよ。ネズミというのは、きみのなかにある恐怖や、コンプレックスや、信じるべきではないのに信じてしまっているもののこと。そういったものは、きみのなかで文句を言ったり、被害者ぶったりするのが大好きなんだ。無意識のうちにそういうネズミを大きく育てるのはやめなさい」

 

 

笑顔は電気よりも安いが電気と同じくらいの光を与えてくれる。

 

 

「毎日トレーニングするんだよ。暇ができたらそのたびに心を落ち着けて座り、全身、特に顎の力を抜き、口を少し開く。呼吸を意識し、できるだけリラックスして、体が変わっていく様子を感じるんだ。体内をマッサージするような気分で、一回一回大切に呼吸する。呼吸は私たちの命を育んでくれるものだからね。その瞬間、内なる笑顔を感じることができる。深い安らぎを感じ、力を抜いて心地よい静けさに身を任せる。血のめぐりとともに、体内で一つひとつ花が開いていく感じとでもいおうか」

 

 

 

ー賢者たるあなたにぜひ教えていただきたい。あなたの頭のなかはいったいどうなっているのでしょう?

賢者の教えは意外なものだった。

ー私の頭のなかには、黒と白の二匹の犬がいます。黒い犬は、憎しみと怒りと悲観を表す犬。白い犬は愛情と寛大さを表わす楽観的な犬です。その二匹が頭のなかで戦っているのです。

ー犬が二匹?戦っているですって?

ーええ、ほとんどいつもね。

ーそれでどっちが勝つんです?

ー私が多くえさをやったほうですよ。

 

 

夢を持ちなさい。そうすれば、現実のほうから微笑みかけてくれるから!

 ここ数年夢もってませんでした。夢を持ちます。