★-月の満ち欠け(佐藤 正午 )
★おすすめの本です。
あたしは,月のように死んで,生まれ変わる――目の前にいる,この七歳の娘が,いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の,三十余年におよぶ人生,その過ぎし日々が交錯し,幾重にも織り込まれてゆく.この数奇なる愛の軌跡よ! 新たな代表作の誕生は,円熟の境に達した畢竟の書き下ろし.さまよえる魂の物語は戦慄と落涙,衝撃のラストへ.
会えば会うほどにのめり込み、会わないでいるあいだも現実を直視すべき目を曇らせていたからである。その人の顔は途方もなく美化され、リアルな顔は後方へしりぞく。鼻筋は通っていたのか、仮に思い描こうとしても実像はつかめず、もどかしいほどにぼやけている。新聞のモノクロ写真のように。
「そう。月の満ち欠けのように、生と死を繰り返す。そして未練のあるアキヒコくんの前に現れる」
おれたちが生きているこの世界、現実はひとつでしょう?幾通りも現実があったら、困りますよね、奥さん。ひとつしかない現実の、確固たるイメージによって、人の知覚体験は「支えられて」いるらしいです。だもんで、ひとつの現実の、イメージとうまく調和できない体験は「追放」される。つまり頭から否定される。なかったことにされる。
想いの大切さを知りました。
★-あとは野となれ大和撫子(宮内 悠介 )
★おすすめの本です。
中央アジアのアラルスタン。ソビエト時代の末期に建てられた沙漠の小国だ。この国では、初代大統領が側室を囲っていた後宮(ハレム)を将来有望な女性たちの高等教育の場に変え、様々な理由で居場所を無くした少女たちが、政治家や外交官を目指して日夜勉学に励んでいた。日本人少女ナツキは両親を紛争で失い、ここに身を寄せる者の一人。後宮の若い衆のリーダーであるアイシャ、姉と慕う面倒見の良いジャミラとともに気楽な日々を送っていたが、現大統領が暗殺され、事態は一変する。国の危機にもかかわらず中枢を担っていた男たちは逃亡し、残されたのは後宮の少女のみ。彼女たちはこの国を――自分たちの居場所を守るため、自ら臨時政府を立ち上げ、「国家をやってみる」べく奮闘するが……!?内紛、外交、宗教対立、テロに陰謀、環境破壊と問題は山積み。それでも、つらい今日を笑い飛ばして、明日へ進み続ける彼女たちが最後に?み取るものとは――?
「やることはやった。あとは野となれよ」
勇気の前には、運命さえ頭を下げる
照準越しの二人の姿が、スローモーションのように見える。集中が高まっている証拠だ。ナツキは、もう自分の娘のようなものだ。万一にも可愛い娘に危害を及ぼすようならば、この場で、いま、独断で葬り去ってやる。
「愛されて育った人間が技術に志したとき、人間を信じすぎ、そして破壊をもたらす。テロルが悪霊であるように、愛もまた悪霊なのさ」「やる人間は、とどのつまりは孤独のなかにある。愛されている人間は、やらない。どうだい、馬鹿みたいだろう?愛という悪霊は、世界の破滅の種を蒔いておきながら、それと同時に阻止するという始末でね。ま、要はリア充たれさ」
習慣は狂気より悪いとはよく言ったものだ。
女性たちの清々しさは読んでて気持ちよかったです。
パックンの「伝え方・話し方」の教科書 世界に通じる子を育てる(パトリック・ハーラン)
「自分の意見を言える子」の親は、家で、何をしているの?ハーバード大卒お笑いコンビで2児の父であるパックンがパックン・ママの教育法+いま実践する子育て法を初公開!
親が手本になる・立ち話をしよう・子どもに促す前に、親から挨拶しよう・「いろいろな大人」とふれ合う機会をつくろう
子どもにやらせなければいけない日課はいろいろありますよね。ごはん、おふろ、ピアノ、歯磨き、宿題・・・。何をするかは親が決めたとしても、どの順番でするか、場所はどこでするかは子どもに決めさせるのです。ピアノの練習は基本的にピアノを使ってやりますが、「ピアノの練習、どの恰好でやる?パジャマに着替えてからやる?」と選択肢を与えます。
「部屋を片づける人には友達を呼ぶ権利があるよ。あなたは友達を呼びたいでしょ?だったら部屋をキレイにすることが前提だよ」
「今は急いでいるから、とりあえず今日はやってくれよ。明日ゆっくり話そう」と言って、なるべく時間を空けず、ゆっくり話す時間をつくってほしいです。
子どもに注意したり指示したりするとき、「ダメ!」「こうしなさい!」と言いがちですよね。そんなとき、「なんでこうしなきゃいけないと思う?」と考えさせるほうが俄然、子どもの心に残ります。
ハーバードで幸福を研究しているショーン・エイカー氏は、よかったことを思い出す習慣をつけると「幸せな脳」になるといいます。そうすると、想像力、記憶力、仕事や学業においての効率などが上がるそうです。
もっと子どもと話す時間を増やしたいと思います。
いま世界の哲学者が考えていること(岡本 裕一朗)
人工知能、遺伝子工学、格差社会、テロの脅威、フィンテック、宗教対立、環境破壊……「世界最高の知の巨人たち」が現代のとけない課題に答えをだす
いつか私たちが、一般的知性において人間の脳を凌駕する機械の脳をつくるならば、その時にはこの新しいスーパー・インテリジェンス(超知性・超知能)はきわめて強大になるだろう。そして、ゴリラの運命が今、ゴリラ自身というよりも、私たち人間にいっそう依存しているように、私たち人間という種の運命も機械のスーパー・インテリジェンスのアクションに依存することになるだろう。
経済的な平等は、それ自体としては、とくに道徳的に重要なものではない。同様に、経済的不平等(格差)も、それ自体では、道徳的に反論されるものではない。道徳の観点から見れば、誰もが同じものを持つことは重要なことではない。道徳的に重要なことは、各人が十分に持つことである。もし、誰もが十分なおカネをもつならば、誰かが他の人々よりも多く持つかどうかは、特に考慮すべき関心事にはならない。
何かの考えに行き詰った時、これらの哲学的視点は、きっと役に立ちます。
★★-多動力(堀江 貴文)
★★後日もう一度読みたい本です。
堀江貴文のビジネス書の決定版! !
一つのことをコツコツとやる時代は終わった。
これからは、全てのモノがインターネットに繋がり、全産業の〝タテの壁〟が溶ける。
このかつてない時代の必須スキルが、あらゆる業界の壁を軽やかに飛び越える「多動力」だ。
第1章 1つの仕事をコツコツとやる時代は終わった
第2章 バカ真面目の洗脳を解け
第3章 サルのようにハマり、鳩のように飽きよ
第4章 「自分の時間」を取り戻そう
第5章 自分の分身に働かせる裏技
第6章 世界最速仕事術
第7章 最強メンタルの育て方
第8章 人生に目的なんていらない
Iotという言葉を最近ニュースでもよく耳にすると思う。
これは、ありとあらゆる「モノ」が
インターネットとつながっていくことを意味する。
すべての産業が「水平分業型モデル」となり、結果〝タテの壁〟が溶けていく。
この、かつてない時代に求められるのは、各業界を軽やかに越えていく「越境者」だ。
そして、「越境者」に最も必要な能力が、次から次に自分が好きなことをハシゴしまくる
「多動力」なのだ。
この『多動力』は渾身の力で書いた。
「多動力」を身につければ、仕事は楽しくなり、人生は充実すると確信しているからだ。
「はじめに」より
本を何冊読んでも、現実は1ミリも変わらない。まずは一つでもいいから実践してみてほしい。
あなたの代わりがいる限り、あなたの値段は上がらない。複数の肩書きを掛け算し、レアな存在になろう。
「完璧主義者」は、何度もやり直し、一つの仕事にアリ地獄のようにハマってしまう。目指すは、完璧ではなく、完了だ。目の前の仕事をサクサク終わらせ。次に行く。そして前の仕事には戻らない。「完了主義者」こそ、大量のプロジェクトを動かすことができる。
スティーブ・ジョブズは「点と点をつなげていくと、いつの間にか線ができる」と言ったが、あちこちハマっていくうちに、網の目のように散らばった点と点が思わぬところでつながるのだ。一度深くまでハマり、あっさり次へ移る。これからの時代は、そうやって80点取れるものをいくつももっている人が強い。
仕事がデキる人には「レスが速い」という共通点があり、忙しい人ほど持ち球を手元に溜めないものだ。
一歩踏み出したせいでみっともない失敗をしたとしても、そんなことは3日もたてば誰も覚えてはいない。恥をかく勇気、失敗する勇気さえもてば、どんどん免疫ができてリスクを取ることを恐れなくなる。この勇気をもつことが何よりも重要なのだ。この瞬間から周りの人の目を気にするのをやめよう。君の頭の中が、他人の振る舞いや失敗のことでいっぱいにならないのと同じように、周りの人は君のことなんてまったく気にしていない。外野の雑音なんて気にせず、君は飄々と我が道を進めばいいのだ。「多動力」を身につけるには、どんな知識や仕事術を身につけるより、「感情」のフィルターを外すことが先決だ。
自分の考えていた理想が詰まった本です。
もう少し今の状況が変わったときに、もう一度読みます。
★-会津執権の栄誉(佐藤巖太郎)
★おすすめの本です。
四百年の長きにわたり会津を治めてきた芦名家。
しかし十八代目当主が家臣の手にかかって殺されたことから
男系の嫡流が断たれ、常陸の佐竹義重の二男、義広が
婿養子として芦名家を継ぐことにに決まった。
血脈の正当性なき家督相続に動揺する、芦名家譜代の家臣たち。
義広が引き連れてきた佐竹の家臣団との間に、激しい軋轢が生じる。
揺れ動く芦名家に戦を仕掛けるのが、奥州統一を企てる伊達家の新当主、伊達政宗。
身中に矛盾を抱えたまま、芦名氏は伊達氏との最終決戦、摺上原の戦いに至る。
「夢幻の扉」でオール讀物新人賞を受賞した佐藤巖太郎が
滅亡に向かう名家と、戦国武将の意地を克明に描き切った傑作。
ひとしきりの感情の氾濫の後、落ち着きが戻った。
そして一点の誤りに気づいた。
真に従順な家臣はいる。
自分が一番よく知っていた。芳正の最も身近なところにいた。その男はいま、槍一本を持って猪苗代城に探索に向かっている。そして、戻って来て言うだろう。
やろうと思ったことをおやりなさいませ、と。
払うことのできない時雨が衣を濡らすならば、いっそのこと脱ぎ捨ててしまえばよかったのだ。そう考えたら、不思議と躰が軽くなった。当たり前のことに気づいたのだ。生まれ落ちた時、初めて戦場を駆け巡った時、飾りも重荷も、何も背負っていなかった。
政宗はもう一度、蝉の抜け殻を見た。その抜け殻を草履の先で蹴り飛ばす。中身のない空っぽの残骸が転がった。
(まだ終わっていない)
眼帯の白布に手を当てた。あきらめるのはまだ早い。不幸にも幼い時に右目を失った代わりに、暗闇には慣れていた。そのお陰で、暗闇の中に隠れているものを見ることができた。人は誰しもがこころの中に、暗闇を・・・言い換えれば恐れや弱みを抱え込んでいる。その恐れや弱みこそが、人の行動の大部分を支配している。勇猛な武者が一度生死の境をさまようと、人が変わったように臆病になるのと同じで、一度抱いた恐れが知らず知らずにその後の当人の行動を決定づけている。
ひとつの史実に人の数だけ物語あり。ひとつの物語がもう一つの物語の伏線となる。
会津芦名家に惚れました。
人生を動かす仕事の楽しみ方~才能よりも大切な「気づく力」~(新津 春子)
当たり前だけれど、忘れがちな「働くこと」「生きること」の意味
中国残留孤児の二世として、日本語も話せないまま日本にきた著者。
「パンの耳をかじる生活」だったと語る生活から抜け出すため、
若かりし頃の著者が選んだ道は「清掃」という仕事だった。
はじめこそ、愛想なく黙々と清掃を続けていた著者だが、
信頼できる上司との出会いで、「あること」に気づかされる。
そこから、著者の人生は大きく動き出すことに。
「清掃は私の人生そのもの」
そう力強く何度も語る著者の、その笑顔の秘密が明かされる一冊!
私はそれまでの27年間、誰にも助けてもらわずに自分の力だけで生きてきました。
これから先もずっと自分一人の力で生きていける。仕事を頑張ればお給料はもらえるし、お給料があれば食べたいものも買えるし、行きたいところにだって行ける。
私にはそれで十分。
その反面、自分は死ぬまでずっとこのままなのかなと漠然とした不安を抱いていました。
いまのように「毎日を楽しく過ごそう」という気持ちに欠けていたのです。
まだ20代でしたから、自分の生き方が正しいのか、それとも間違っているのか、そこまで考える余裕がありませんでした。
ところが、お客様を観察するようになって、そんな私に変化がおきました。他人に興味を持ち、自分以外の人から学ぶという意識が芽生えたのです。
それは「一人の力で生きてきたつもり」の私には大きな変化でした。
工夫には以外な副産物があって、工夫をしてうまくいくとそれだけでうれしくなって、いつのまにか工夫することが楽しくなってくるんです。そうすると、結果として、仕事自体も楽しく、そして楽になります。
うまくいかなくても、自分の頭で考えて行動すれば、失敗もしながら、最後は自分自身の力でできるようになることでしょう。
そうなることが、将来の自分を困らせないことになるのです。
ただ目の前のことを言われたとおりにやっていても、仕事は楽しくならないと思います。仕事でも私生活でも「見たことないものをもっと見てやろう」という気持ちが大事。ずっと同じものばかり見続けているのはつまらないのです。
いま目標がないのなら目の前のことを一生懸命やってみてください。少し時間はかかるかもしれませんが、きっとあたなの中で変化が起きます。もしかしたら「自分は将来、これをやっていきたい」ということに出会えるかもしれません。27歳の私が「全国ビルクリーニング技能競技会」を境に大きく変わっていったようにです。
私の中で納得できないことがあると「わかった。会社で私のことを評価してくれないんだったら、外でがんばってみる」と思うようになりました。社外の誰かが評価すれば、それがめぐりめぐって会社に伝わります。たとえば業界団体主催のコンテストで入賞する、専門の資格を取る、など。何らかの行動を起こさない限り、いまの評価が簡単に変わることはありません。
お金や自分のためでなく人のために働いてみる。